本日も「読書をする子は○○がすごい(榎本博明)」から興味深い一節を紹介します。
2001年度の調査で家庭の教育力の低下の理由の一位は「子供に対して、過保護、甘やかせすぎ、過干渉な親の増加」(66.7%)でした。
家庭教育に関する国際調査では、
「親の言うことを素直に聞く」ことを強く期待する親は、仏80.1%、米75.2%、日29.6%で、
「学校で良い成績をとる」ことを強く期待する親は、仏70.1%、米72.2%、日11.9%でした。
子供は未熟なのだから、親が権威を持って教育すべきという欧米の意識と異なり、昨今の日本では親が子供を自由にさせたいという気持ちが強いことがわかる。
このような子供の自由が本当に子供のためになるのか、子供の将来を考えるならば、教育的な環境を整えるという意味で一定の外圧は必要ではないか?ということを筆者は書いていました。
素質があっても自由にした結果、知的刺激を受けずに育ってしまうと、楽な方に流れ続け、そういった子が自ら本を読んだり勉強をしたりということにはなりにくい。
筆者は上記の内容をうけて、自主性の尊重や個性の尊重という言葉が全面的に良いとされる傾向があるが、現在の子供の実力差を容認し、格差を助長し得る行為であることに警鐘を鳴らしている。
凡人父の感想
一読しましたが、「読書をする子は○○がすごい」という安易なタイトルからは想像できないほど、しっかりとした内容の本でした。
全体的に参考にしたい内容が書かれていたので、数回に分けて今後も紹介したいと思います。
「親の言うことを素直に聞く」ことを強く期待する親は、仏80.1%、米75.2%、日29.6%の結果に関しては、そのまま受け入れるのは危険ではないかと思いました。「〇〇」を強く期待するというアンケートに〇をつけられる日本人は多くないのではないかという点と、「親の言うことを素直に聞く」のレベル感が日本と欧米で大きく異なる可能性があると思います。
我が家は基本的には自主性を尊重した教育を心掛けていますが、本書を読んで「一定の外圧」ということも意識しようと思いました。
とは言え、何をもって外圧とするかですが、子供に対して知的刺激を与えやすい環境を作ることで「一定の外圧」にしたいので、絵本をリビングに置く(アクセスしやすくする)、お勉強道具はリビングテーブルの傍に鎮座、リビングでお勉強、絵本の読み聞かせあたりをしっかりやっていこうと思いました。