少し前の記事に関連して、鉄力会についてです。
なんだか、鉄力会について調べているときに凄くモヤモヤしました。
『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体 / おおたとしまさ』
を読んでようやくモヤモヤの輪郭がつかめた気がします。
我々親としては、
①子供の幸せを考える
②安定した職についてほしい(金銭的に自立してほしい)
③学歴必要
④東大なら最高
⑤東大行くなら、中高一貫の名門校(鉄力会指定校)
⑥中高一貫に行くならSAPIX
⑦中学受験は親が9割→私がしっかりしなきゃ
⑧何が何でも御三家クラス
それが子供の幸せとか言う思考に陥る方がいると思います。
かく言う私もその中の一人だったのですが。
それで上手くいけばいいのですが、
男女御三家の合格者数の合計が1500人くらいで、受験者が5万人くらいだとすると、上位3%くらいしか御三家には入れないことになります。
つまり、標準偏差で考えると+2σなので、全受験生の中で偏差値70に位置する必要があります。
そして、その中から、また6年間の鉄力会生活が始まるんですね。
鉄力会は元々東大に合格できる能力がある子供を”確実に”東大に合格できるところまでやらせるという向きが強そうです。
その不確実な”確実性”を獲得するために受験アスリートとして受験に特化した勉強ばかりに6年間を捧げるのですかね。大変ですね、、、。
御三家に合格して授業中に鉄力会の内職の話を見ると、じゃあ中学校はどこでもいいじゃんとなりますね。
なんだか完全否定みたいな文章になってしまいましたが、
子供が、東大に入ってやりたい研究があるとかで頑張ったり、国立医学部に行きたいから6年間受験勉強に打ち込む覚悟があってやっているのであれば素晴らしいことだと思います。
目的と手段がはっきりとしていれば問題ないと思います。
東大行きたい理由が、研究テーマや、先生、特定の設備とかであれば素晴らしいですね。
偏差値や有名だからで選ぶのものなしではないと思いますが、個人的には自分が何をしたいのかを見つけるために中高6年間を使ってほしいと思います。
高いモノが良いモノの理論で、良いモノやはり高いですが、高いものがその人にとって最適なモノとは限らないのが難しいところですね。
物も偏差値も。
東大理3に合格する生徒の6割は鉄力会だそうで、東大理3にこだわる理由があるのであれば鉄力会も良いかと思います。
一方で医者になりたい&関東の大学ということであれば他にも選択肢があると思います。(まぁ結局は難関なんですが、、、)
あと、調べた限り、進度の速さがとんでもないのが普通の人間には向いていないと思います。
ついてこれる人間だけがついていって、進学実績を出してくれればよいという方針に見えました。
これは教育ではなく、受験アスリートの選別です。
ありきたりではありますが、勉強は積み重ねが大事ですので、ついていけないと感じたらすぐに辞めて、自分のペースに合った塾を選んだ方が絶対に成績は伸びます。一足飛びに成績が上がる魔法はありません。
あと、ある程度のレベルに達するまでは難問を解くよりも、基礎・標準を固めた方が圧倒的に意味があるので、自分のレベルに合った問題やペースで学習をすることが大事です。
とは言え、鉄力会で頑張っている子を否定しているわけではなく、ついていけている子は凄いなと思いますし、それ自体は何ら悪いことでも何でもなく、むしろトップ層の努力を考えれば褒められて然るべきだとも思います。
凡人父の「目的」は子供たちの幸せなので、そこだけは見失わないように気を付けたいと思います。
子供が望んで鉄力会で切磋琢磨したいのであれば入れると思います。
(ただ、父は他の価値観もあるんだよということは忘れずに伝えたいですね。)