非常に面白い漫画の話です。
親として子供の受験のことを考えるようになって読むと凄く考えさせられるものがあります。
絵をほとんど描いたことのない主人公が早慶合格確実レベルの学力にも関わらず、藝大を目指すという話です。
凡人父はこれを読んで、浪人当然の藝大に受かる期待値、画家で食べていける人の割合を考えた時の将来への不安定感と早慶に行った時の安定感を秤にかけて、自分の子供が将来藝大に行きたいといったときに素直に応援できるか?とか考えてしまいました。
本作の主人公の美術部顧問の佐伯先生が主人公に「食べていける保証もないのに美大に行くメリットはあるの?」に対して、
「好きなことは趣味でいい」これは大人の発想だと思いますよ
佐伯先生
というシーンがあるのですが、「なるほどなー」という気持ちと、「でも、そうは言っても」という気持ちを持ちました。
どちらが正しいという話ではないと思いますが、
・何にも本気になれずに、何となく親の勧められるままに早慶に行って安定を得られる(かもしれない)のと、
・初めて本気になれた美術の道を志す(不安定なのが前提だし、そもそも大学うかるのか?だし)
を子供が選択する立場になった時に、親としても好きなことをやってほしい気持ちと、食っていけるのか?という思いを持つと思います。
もしも自分がその立場になった時にはどうするんだろうか?と思いながら読んでいました。
父なら絵で食べていける道を徹底的にリサーチして食べていける期待値が極めて低ければ、無責任に背中を押すこともできないので止めると思いますが、それなりに勝算があれば好きなようにやらせたいですね。
あとは子供に進学と就職(食べていく方法)についてプレゼンさせて本気度を確かめるかもしれません。
そう考えると、「麻布という不治の病(おおたとしまさ)」の「付録三 藝大生が振り返る麻布」に出てくる先生は凄いですね。
超進学校で生徒に藝大を勧められるのは、よっぽど見ていて光る何かがあったんでしょうね。
名言や名シーンが多すぎ問題の時間泥棒になる可能性ががあります。おすすめです。とりあえず6巻まで。